自然体で
音楽療法において何よりも大切なことは
クライエント(対象者)様との豊かな関係づくりだと思っています。
豊かな関係づくりは、まず信頼関係を築くことから始まります。
この関係を築けて初めてスタートラインに立てる、と私は考えています。
まずそのスタートラインに立てるようになるためには・・・
私はセラピストとしてというより、
一人の人間として自然体でクライエント様に向き合うことが大事だと思っています。
(特にお子様が対象の場合)
はじめてのセッション時や、
まだ信頼関係が築けていない
お互いが探り探りな関係のときのセッションは
セラピストももちろん緊張します。
「うまくいくかなぁ」
「『楽しい』を引き出せるかなぁ」
一つ一つのアクションに対してこの気持ちを抱えながら
音楽を投げかけてしまいがちです。
音楽療法をご依頼してくださったご家族やご本人の
お気持ちにこたえたい!という思いが強ければ強いほど
この気持ちが大きくなります。
私も以前はずっとこの気持ちが強く、
これがプレッシャーとなって、一つのセッションが終わると一日の体力を使い果たしたかのように
放心状態、ぐったりしていました。
果たしてそれで
100%クライエント様を見れているのか・・・
クライエント様からの投げかけを受け取れているのか・・・
もっとちゃんとしなければ、
うまくやらなければ。
この不安は、音を通して直にクライエント様につたわってしまい、
関係がギクシャクしてしまうこともあります。
ガチガチにかためた内容のセッションプランではなく
大枠だけ決めて
あとは「今日はどんな動きを見せてくれるかな」
と余白をたっぷり持って
なるべく自然体でセッションに挑むようにしています。
「うまくやらなければ」
ではなく、
クライエント様と一緒にその時間の空気感や音を楽しむ。
よくできたね!と褒めるのではなく
同じ目線で喜べる、
そんな自然体の自分でいることを大切にしています。
音楽療法は確かにクライエント様の
生活の質のさらなる向上のためにお役に立てるものかもしれません。
が、セラピストである私もまたクライエント様と一緒に歩む杖となる存在になりたいと思っています。
いつも同じ歩幅で。
時には立ち止まることがあっても手を差し出せる、そんな存在であり続けたい。
音楽と共に。
それはピアノレッスンにおいても同じ気持ちで生徒さんと向き合っています。
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